今朝の日経新聞一面トップで報じられたが、NTTが独自の電力網の整備に乗り出すということだ。2020年度から、全国約7300カ所ある自社ビルを活用し、蓄電池にためた電力を病院や工場などに供給する。自社の電源も整備し停電時のバックアップの需要を取り込む。一連の投資額は6000億円規模になる見通しだとのこと。最近の災害続きと停電続きが新しい市場を作ったと判断したのだろう。NTTは電話交換機に使う鉛蓄電池を各交換機施設で使用していて、蓄電池の取扱、そして、直流の取扱には熟達している。
電力会社とは別系統の電力網ができると、災害時の停電リスクを分散できる。再生可能エネルギーを供給するための送配電網の空き容量不足の改善につながる可能性もあると解説されているが、それほど広い地域を対象とはしていないから、非常用発電の地域供給と考えれば良いのだと思う。
NTTはグループ会社が抱える全国約7300の電話局など固定電話向け拠点から、近隣の需要家まで自前の配電網を敷設する。電力のロスが少ない直流の配電網を原則使い、電力大手の既存の送配電網に比べ効率が5~10%よくなる見通しだ。顧客として電力が途絶えると困る病院などを想定するが、平常時には、グループの新電力最大手エネット)がこの配電網を使った電力小売りもする。NTTが常時電力販売をするのではなさそうだ。自社ビルの周辺などに太陽光、風力、バイオマスといった再生エネの自立型電源も整備する。外部からの電源の調達もあわせ、25年度に計450万キロワットを外部に供給できる体制にする。
直流供給をするのだが、供給先の電気設備は全て交流を前提にして作られているのを、どのように直流対応ができるようにするかには興味がある。また、その配線は地下埋設にすることが望ましい。近くのビルなどに直流を流すのだから、電線の数も2本で済むし、利用先からも地域からも評価されるだろう。自家発電設備を持つ顧客との連携をとれば、地域単位の電力網を構築でき、エネルギーの地産地消も実現できる。この範囲は仮想発電所として運用できるから、通常の送配電系統の系統制御に貢献することもできるだろう。これは世界的にも先頭を走るシステムではないだろうか。
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充電器 と 発電機