効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高層マンションに燃料電池設置

JR大阪駅周辺の再開発の一環として、以前プラザホテルと朝日放送があったところに、地上51階建ての高層マンションが建設されようとしているが、このほど、この全室に家庭用燃料電池エネファーム・タイプS(定格出力700Wの固体酸化物型燃料電池SOFC)が設置されることになったという発表があった。これだけの数のものが、しかも全室に設置されるのは初めてだろう。最近新築の戸建て住宅には太陽光発電パネルが設置されているのが標準仕様となっているものが増えてきたが、マンションの場合太陽光発電を各戸別にすることは現実的ではない。それが燃料電池に置き換わったと考えても良いだろう。積水ハウスは1月からタイプS付きマンションの販売を開始しており。採用数は合計4物件・1708戸に上っている。タイプSは発電効率が52%、熱回収も含めた総合エネルギー効率は85%ほどになる。また、大阪ガスの電力を購入していれば、余剰電力を大阪ガスが買い取ってくれる。燃料電池を常時フル稼働させると、700Wを使い切れず、余剰が生まれるが、それを買い取ることによって、大阪ガスは消費者との関係強化を図っている。
これを米国の友人に伝えたところ、米国では家庭用の燃料電池が高効率であっても燃焼排ガス中にCO2が含まれるために、太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池の組み合わせが選択され、ガス会社もあまり関心がないそうだ。欧州では家庭用のSOFCの販売を使用とするメーカーが現れているらしいから、日本の状況と似た動向になるかも知れない。