効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高温超電導ケーブル

NEDO古河電工の研究グループが超電導送電としては世界最高となる275kV、150万kVAの送電を可能とする高温超電導ケーブルと、電力機器との接続部にあたる気中終端接続部および中間接続部を開発し、中国瀋陽市の瀋陽古河電纜有限公司で実証試験を行ったと発表した。実証試験では30年相当の加速試験による長期通電も行って、長期の設備利用が可能なことを確認したという。超電導送電ケーブルの技術開発は、これまで66kVが主流だったものがさらに高圧化できたために、日本国内だけでなく、アジア地域等の新しいインフラとして導入が期待されるとしている。
今回の実証では設置距離は30メートル。通常の送電線との接続も行われていて、直径150mm、送電損失0.8W/m、275 kVの設計仕様で高温超電導ケーブルシステムが構築されている。実用化にはおそらく設置距離がさらに長くなる必要があるだろうが、実用として想定される設置距離がどれほどになるかを知りたいところだ。ワンスパンで液体窒素による冷却ができる距離がどのくらいになればコストパーフォーマンスが良くなるのだろうか。変電所からの高圧送電線からデータセンターなどへの接続に使うのであれば30メートルもあれば十分かもしれないが、距離の要素がどれくらいクリティカルかがよく分からない。