積水ハウスなど5社は22日、JR大阪駅近くに建設する地上51階建てのタワーマンション全871戸に固体酸化物型燃料電池(SOFC)を用いた「エネファームタイプS」を設置すると発表した。このSOFCの中心部分のセルスタックは京セラが開発し、アイシン精機と大阪ガスが全体のシステムを開発した物で、本体部分が一つのボックスに入っているためにマンションなどに設置しやすい。そして、発電効率が53.5%と高いため、電力に対応する炭酸ガス排出量も少ない。積水ハウスは1月からタイプS付きマンションの販売を開始している。これまでエネファームは戸建て住宅に設置するのが普通だったが、今回のタイプSの大量設置は一種のモデルとなり、同様のプロジェクトで採用が進むだろう。設置台数が増えれば、設備としての価格を引き下げてくれ、政府の準備した補助金の効果も大きくなる。欧米ではまだ家庭用のSOFCは開発途上で、欧州でこれから各国政府も普及に力を入れ始めている。今回の大量設置は欧州にも刺激となるだろう。このタワーマンションに設置されたタイプSは、700ワットで常にフル運転する。使い切れなかった世帯からは余剰に発電した分を大阪ガスが買い取る方式になっている。この買取が出来るのは、現時点ではタイプSのみで、PEFC(固体高分子電解質型)のエネファームには適用されない。大量設置が各地で始まることを期待している。