効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新型原発AP1000が中国でフル稼働に

エスティングハウスの新型原発AP1000が8月11日に世界で初めてフル稼働に入ったと中国が報じている。これは浙江省の三門原子力発電所1号機(125万kW)で、三門では同じくAP1000を採用した2号機が、1号機から8か月間のインターバルを置いて建設されていて、今年の終わり頃に稼働が計画されているほか、山東省の海陽原子力発電所でもAP1000が2基建設中。ウエスティングハウスは東芝の傘下に入ってから破産して、東芝の経営に大きな影響を与えたが、中国の行うAP1000の建設継続に協力するのに同意しているとのことだ。福島原発の事故によって、中国当局もその安全性を見直したため建設計画は遅れたが、建設自体は推進している。三門1も当初2009年4月に完成する予定だったのが遅れて今年になっている。中国原子力エネルギー産業協会によると、中国は現在全部で38基の原子力発電所を運用し、その総発電容量は36.9 GW. 今年の当初半年で、中国全体の発電量の4.07%を占めている。AP1000は日本の原発メーカーも建設を海外で進めているが、それが完成に至るかどうか疑問も出ている。コストが大幅に上がったことが大きな理由となっている。だが、計画経済の中国では、安全性の検証が済んだとして建設が進められ、他国へのプロジェクト輸出にも取り組んでいる。日本や欧米で原発建設が進展していない中で、中国が地球温暖化対応の国の重要施策として予定を消化していけば、原子力発電所建設の経験を積むことになる。今後の中国に於ける原発建設の進捗度などを常に見守っていかなくてはならないだろう。