効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東芝と原発

東芝原子力大手のウエスティングハウスを2006年に買収したときには、驚くと同時に、原発の将来を考えたときに大丈夫かなという感じを持ったのだが、それが現実のことになってしまった。27日に東芝の社長が記者会見を開き、米国の原子力発電事業で数十億ドル(数千億円)の減損損失が発生する可能性があることを明らかにしたのだ。会計不祥事で再建中の東芝にとって、再度立ち上がれないほどのダメージとなると同時に、原発事業そのものへの不信感を抱かせることになったのではないかと思える。東芝とは無関係だが、高速増殖炉もんじゅ廃炉がほぼ決まったことによって、日本の原子力発電の方向性が完全に見失われた感があるのに加えて、原発建設には多大なコストと時間が必要なことも広く知られる機会となっている。西欧の原発建設業界を眺めていると、原発の建設の遅れは当たり前だし、建設コストが大きく増大することも常態化している。既に通常の融資対象にはならないものばかりとなっている。そのような原発をまだ促進しようとするにほんにとっては、東芝のケースは致命的とも言えるダメージを与えたかも知れない。