効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国の原発建設遅れ

ロイター通信が出した情報だが、ウエスティングハウスの新型原発AP1000第一号が中国の東海岸に建設されているが、安全性に懸念があるという理由で核燃料の装填が遅れているらしい。日本でも報道されているのだろうか。チャイナデイリーが述べているのは、この建設プロジェクトの遅れがこれでさらに遅れることになるという。AP1000は第三世代の原子炉とされているが、浙江省台州市三門に建設中。燃料の装填は昨年に開始されるはずだったもので、装填後稼働テストを行って2018年にはフル稼働することになっていた。だが、安全基準を厳しくし、最高度の安全性を持つ原子炉にする方針が出され、そのチェックの必要から全体の計画が遅れている。ウエスティングハウスは2007年にAP1000を2カ所に4基建設する契約を中国と結んでいた。同社とすれば、この建設で新型炉を広く認識して貰おうと期待していたものだ。だが、同社は、米国内で建設しようとした4基のAP1000にコストがかかりすぎて破産申請をしている。
中国は原子力発電の大規模建設を推進して、石炭依存から脱却しようとし、2020年末までに現在の35.8GWを2020年には58GWに増やそうとする計画をこれまで進めてきた。だが、その建設計画は福島原発事故のために大幅な縮小に向かっている。フランスの手による原子炉建設も遅れているらしい。この2年間で新規建設は認可されていない。天然ガスの輸入と再エネの増強で乗り切ることになるのだろう。