効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発廃炉ごみ処理の難しさ

原子力発電所廃炉になると、高い放射能を帯びた炉心部などが廃炉ごみとなり、その処理の難しさはこれまでも言われてきた。だが、原子力規制委員会がこの1日了承したと報じられた、廃炉廃棄物の処分場の規制基準案を知って驚嘆した。活断層や火山の影響が想定されない場所で、深さ70メートル以上の地下に埋め、放射線の影響がほぼなくなる約10万年後まで保管することが柱だという。これを日本列島内で実施するのはまず不可能と言っても過言ではなかろう。原発廃炉で出る低レベル放射性廃棄物は、放射能の強い順に「L1」から「L3」に3区分される。今回の基準案の対象はL1で、制御棒や燃料集合体を入れるケースなどが該当する。これを低レベルとしているのは、何に対してのレベルだろう。
基準案では、処分場を安定した地盤に作るよう電力会社に要求。長さ5キロ以上の断層近くは避け、過去約260万年間に火山活動がないことを文献や地質調査で確認する。石油や石炭、天然ガス、鉱物資源がある場所も、将来掘り返される恐れがあるため避ける。廃棄物は埋設後約300〜400年間、地下水に放射性物質が出ていないか定期的に監視する。その後は、国の許可なく処分場周辺を掘削することを禁じる。 地上では、処分場から受ける追加被ばく線量を、国際基準に合わせて年0.3ミリシーベルト以下に抑えるよう要求。放射性廃棄物の容器が壊れるなど、遮蔽(しゃへい)機能の一部が損なわれた場合の放射線量を解析し、下回るかどうか確認する。
地震帯の上に乗っかっている日本列島にこの基準案に適合する場所があるとは信じられない。これを電力会社が検討することになるが、どのような回答が出るだろうか。チェルノブイリ事故の対応は、炉心全体をコンクリートで固めているが、この方がまだ実際的かも知れない。とんでもない負の遺産を後世に残すことになることは間違いない。