効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

トランプ政権、車燃費基準を撤回

トランプ米政権は2日、オバマ前政権下で定められた自動車の燃費基準を撤回すると発表したということだ。さらに、カリフォルニア州などが独自に定めていた燃費規制も廃止に向けた交渉を始めるというから、合衆国としての米国を否定する姿勢を明確にしはじめたと言えるかも知れない。現行の米国の燃費基準はオバマ前政権下の2012年に定められたものだが、適用期間は17〜25年で、乗用車については25年までに燃費を17年比で約3割改善するよう求めている。達成できなければ罰金が生じるという内容。環境対応の先進的な施策をつぎつぎに打ち出しているカリフォルニア州ニューヨーク州は、おそらく猛反発するだろうが、米国の自動車産業にとっては天の恵みみたいなものだ。日本車が米国に進出するきっかけもカリフォルニア州の環境規制に米国の自動車産業が対応できなかったことが原因になっている。電気自動車の導入についても、欧州の自動車に席巻されるかも知れない。EPAは現行の規制が続けば50年間で5千億ドル(約56兆円)超のコストがかかるとの試算を公表しているが、一方、世界で車を販売する自動車メーカーにとっては米国外の厳しい基準にも対応しなければならず、新基準で実際に規制対応コストが下がるかどうかは不透明だ。米国市場だけを対象にした車しか作らなくなるかも知れない。このトランプの政策は、米国の成り立ちまでも否定するものだけに、決着がどのようになるかはよく中止しておかなければならないだろう。