効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

廃炉

廃炉には極めて長期の年数がかかるとこれまでも述べてきた。ただ、それは自分の頭の中にある知識を組み合わせた推測に拠るところが多かったのが、今日の毎日新聞の記事で、当たらずといえども遠からずであることを教えて貰った。英国の原発解体作業現場を取材した記事をそのままコピーすると、「世界で最も?廃炉10+件作業が進む原子力発電所の一つ、英ウェールズ地方のトロースフィニッド発電所(出力23.5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)の作業現場に入った。1993年の作業開始から20年。責任者は「既に99%の放射性物質を除去した」と説明するが、施設を完全に解体し終えるまでになお70年の歳月を要する。「想像以上に時間とコストのかかる作業」(作業責任者)を目の当たりにし、日本が今後、直面する道の険しさを思い知らされた。・・・・・65年に運転を開始し、91年に停止した。原子炉の使用済み核燃料(燃料棒)は95年に取り出されたが、圧力容器周辺や中間貯蔵施設内の低レベル放射性物質放射線量は依然高い。このため2026年にいったん作業を中断し、放射線量が下がるのを待って73年に廃棄物の最終処分など廃炉作業の最終段階に着手する。」ということだ。
原子炉の形式は日本で使われているものとは異なるが、放射性物質の取扱がどれほど難しいかを教えてくれることに変わりはない。順調に作業が進められてもこのように難しいのだから、大きな事故に遭った福島原発第1にある4基の廃炉は、これで終わったと宣言できる状態になるのには何百年もかかるだろう。その過程では海水の放射能汚染を起こす可能性もある。
また、40年操業した原子炉はほぼ確実に廃炉ということになるだろうが、それに要するコストは膨大となり、そのために行われてきたと称される積立金などまったく役に立たないほどのものとなることも確実だろう。それをこれからの世代が背負っていかなくてはならない。原発の技術を日本で維持するためということで原発を新設するようなことがあってはならない。原発産業は捨てて、それに代わることのできる技術を育てる方に金を使うべきだろう。原発は恐怖の塊だと思う。それを理解した上で、再稼働を暫定的に認めざるを得ないのが現実だが、その期間を大幅に短縮するエネルギー政策を打ち出す必要があろう。