40年の稼働で廃炉にするのが原則という政府の方針に沿って廃炉になる伊方原発1号機。このほどその廃炉工程の内容が示されたが、廃炉にかかる年数が40年と知り、やはりと思わされた。短期間で廃炉作業は終わらないという理解はしていたが、40年という具体的な長さを知ったのは初めてだ。おそらくそれだけでは済まないだろう。しかも、廃炉で出てくる廃材には高度の放射能を帯びたものがあるから、その処理をどうするかは分かっていない。伊方原発は1977年9月に稼働を開始している。このような商用規模の原子炉を廃炉にする経験を持つ電力会社はまだない。福島第一原子力発電所の事故処理での廃炉とは次元の異なる作業ではあるが、通常の火力発電所の廃棄処分とは全く異なった作業が必要となる。原発立地場所の自治体も、廃炉処理期間の間お付き合いしなければならないのだから、住民への説明もしなければならない。これ自体が大きな軋轢の元となる可能性もある。これを知った国民は、原発の新設に同意することはなくなるだろう。