効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

水素の宅配

太陽電池からの電力で水を電気分解するシステムは、燃料電池を駆動する燃料に水素を使う方式として幾つか実用的なアプリケーションが行われている。だが、この3日から始まった実証試験では、得られた水素を、吸蔵合金が詰まった金属容器に貯蔵し、それを生協の宅配便で配送し、家庭で燃料電池を作動させて発電させ、熱も利用しようというもので、水素の利用としては面白いものだ。燃料電池の出力や容器の大きさや重量は示されていない。宮城県富谷市と日立製作所などが連携して取り組む事業で、既存の物流網を使い安全な水素貯蔵合金の形で一般家庭などへ配送するのが特徴となっている。これは環境省の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」に採択されており、日立のほか、丸紅、みやぎ生活協同組合仙台市)が参加している。昨年の9月にこの実証事業の着手が発表されていて、既存の物流を利用するのが特徴だと紹介されていた。それが実際の運用に入ったということだろう。同日、みやぎ生協の物流センターで開かれた運用開始式には企業側のほか環境省などからも幹部が出席して、テープカットで事業の開始を祝ったそうだ。実証事業は2019年までの予定で、この間に成果などをまとめて環境省に報告する。企業側は今回の事業スキームをもとに他地域にも事業を展開する計画だとしている。
ここで気になったのは物流で使われる配送用の車はまだガソリンか軽油を使ったエンジン駆動のトラックだろうと推察されることだ。もし可能ならば、配送トラックは燃料電池車にするか、それが無理なら、天然ガスかLPGといったCO2の排出が少ないエンジンを使ったものにすれば、さらに有効な環境対応となるはずだ。コストの問題はあるが、国の実証事業ならばそれくらいはしてほしいと感じた。
今日から甲子園で高校野球大会が始まった。第100回だということで、長い歴史を持つのだなと思いながらテレビで観戦。