効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

福島第一原発の廃炉遅れ

東京電力福島第1原子力発電所廃炉作業で、政府と東電が計画する1号機からの核燃料の取り出しが想定より遅れる見通しであることが分かった。建屋内のプールにある使用済み核燃料は2年、溶け落ちた核燃料(デブリ)は5年、それぞれ撤去がずれ込む。これまでの作業の遅れに加え、取り出しのための施設の建設に時間がかかり、作業を想定通りに進めるのが難しくなったと報じられている。だが、この遅れで済むとは思えない。福島第1原発の1〜3号機は事故の際、炉心溶融が起きた。水素爆発による建屋の損傷や強い放射線の影響で、廃炉作業が思うように進んでいない。最も重要な核燃料の取り出しがずれ込めば、30〜40年かかるとされる廃炉の全体工程にも影響が及ぶ可能性がある。核燃料の取り出しを人間が入ってすることはできない。ロボットのようなもので作業を行うということが想定されているはずだが、強烈な放射線の中では、ロボット自体を制御する回路自体が損傷されて、指示通りに動くとは考えられず、取り出し技術の開発があらためて問題となるだろう。いま廃炉の対象になりつつある原発についても、全てが順調に行くとは考えられず、その中で原発の新設を想定することなど到底できない話だと思う。