効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奈良県の公立小中学校での空調設置

異常に高温な夏を迎え、冷房設備のない学校が問題となっている。特に奈良県では、全国都道府県の中で小中学校での設置率が最低に近いという数字となっているため、県知事は設置の意思表示をしているとはいえ、その予算の確保は極めて難しいだろう。さらに重要なのは、もし空調設備を設置したとしても、教室の断熱が出来ていなければ、空調に必要なエネルギーコストの大きな部分が無駄になるということだ。行政の予算は単年度主義だから、断熱工事のコストは何年で回収できるという投資効果の判定はほとんどなされないのが通例。しかし、もし校舎の断熱が不十分であることがはっきりすれば、工事業者ではなく、先生、子ども、父兄の手で、簡易な断熱工事をすることはできるはずだ。例えば、廊下の反対側の窓ガラスに断熱フィルムを接着するだけでも熱の損失はかなり下がる。一階の教室の床下に断熱材が取り付けられていなければ、教師や父兄が床下に入って取り付けることはできる。これは昔自分でやった経験でも言えることだ。また、最上階の教室の屋根裏に断熱材がなければ、この取付は、多少の心得のある若い人であれば、断熱材シートを天井板の上に載せるだけで熱損失は引き下げられる。空調設備の予算を少し増やして断熱フィルムと断熱シートが購入できれば、生徒にとっても環境対応のよい教材にもなるはずだ。危険性がないとは言わないが、十分な配慮をすれば可能なことばかりである。ぜひ検討してほしいと思う。