効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奈良市庁舎の耐震改修

奈良新聞に雑記帳という小さな投稿欄がある。女性のみを対象にしたものかと思っていたのだが、投稿規定を見るとそうではないらしい。そこで、内容としては趣旨に反しているかも知れないと思いながら投稿したら、幸い採用され、5月28日付けで掲載された。その内容をそのまま転載する。
「5月9日付けの本紙一面に、築後38年になる奈良市庁舎の耐震改修を、全面建て替えではなく、執務への影響が少ない閉庁日に工事を集中させる「居ながら工事」を行うと報じられている。
庁舎の外観はまだ古びた感じもないだけに、賢明な選択だと思うと同時に、この機会を利用して、可能な限りネットゼロエネルギー・ビルに近づける方策も取り入れて,ビル改修のモデル事業になって欲しいものだ。その分工事費が増えることにはなるが、エネルギー消費が大きく下がることによって数年でコスト増は回収できるはず。
具体的には、建物全体の断熱性を向上させるために、まず窓ガラスを複層化し、サッシを熱伝導度の低いものに取り換える。開発が必要かもしれないが、吉野材に樹脂加工をして、耐候性の高いサッシにすることもできそうだ。
次いで、道路に面した南側の壁に、柔軟でデザイン性の高い薄膜太陽光発電設備を取り付ければ、昼間の発電と同時に断熱性の向上も実現できる。屋上にソーラーパネルや蓄電池を設置することに問題はなかろう。
もしコージェネレーション(熱電併給)システムが未導入であれば採用し、同時に、地中熱や佐保川の水といった未利用エネルギーを使ったヒートポンプ空調も検討に値する。全館の換気システムからの熱回収も意外に効果は大きい。
まだ幾つも考えられるが、要するに、市当局が視野を耐震改修だけに絞るのではなく、エネルギー効率向上も対象に組み入れてほしいということだ。」
同趣旨のことを奈良県の新規プロジェクトについて以前述べたことがあるが、それに通じるものだ。奈良市がどう受け止めてくれるだろうか。