効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電池3兄弟

太陽電池燃料電池、蓄電池の組み合わせが電池3兄弟といわれることがある。響きは良いが、この組み合わせはこれまでコスト時に引き合うとは考えにくかった。だがこのほど知ったところに拠ると、積水ハウス大阪ガスが既存住宅をゼロエネ化するためにこの組み合わせを商品とする方向で実証試験を始めているらしい。新築住宅であれば、全体コストに吸収されてしまうのだが、興味を惹いたのは、これが既築住宅を対象にしたものだと言うことだ。既築住宅をリノベーションしたものに電池3兄弟を取り付ける、ということは、3兄弟のコストがはっきり示されることになるが、それによってゼロエネルギーを実現するための長期実証試験をするという。リノベーションした住宅において、ゼロエネルギーを実証する居住実験は国内初となるという。12月1日から約2年半、実施するとのこと。
既存住宅のリノベーションでは、窓を真空複層ガラスに交換したほか、1階の床下と2階の天井裏に断熱材を追加することで、断熱性能を約12%向上させた。また、居室ごとの空調方式から、室間の温度差の小さい全館空調に変更している。燃料電池を常時定格出力運転することで、最も高い発電効率を維持するとともに、発生する電気と熱を増加させる。また、空調を最適に制御することで、少ないエネルギーで快適な空調を実現する。こうした手法の採用で、快適性を向上しながら省エネを進め、ゼロエネルギーを実現した。燃料電池の運用では、余剰電力が生じている時間帯には、太陽光発電電力とともに逆潮流させる。 固定価格買取制度(FIT)では、設備認定を受けた再エネ発電設備は、非認定の電源による発電電力と同時に電力系統に送電することは認められていない。このため、今回の実証に使う太陽光発電システムは、非FITの電源となっている。検証する住宅は、軽量鉄骨造2階建て、4LDK(延床面積 は138.8m2)で、奈良県北葛城郡王寺町に位置し、家族3人が暮らしている。太陽光発電システムの定格出力は5.08kWで、多結晶シリコン型パネルを採用した。燃料電池の定格出力は700Wで、固体酸化物型燃料電池SOFC)を採用した。余剰電力は大阪ガスの新電力が買い取るはずだ。その買取条件は明らかではないが、これからの分散電源のあり方を示す事例だと思う。