効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽熱温水器とヒートポンプの組み合わせ

太陽熱利用システムのOMソーラー(浜松市)は、太陽熱システムとヒートポンプ式の給湯器を組み合わせた新製品「OMX」を2018年10月に発売するということだ。従来の太陽熱給湯器は、太陽光で温まった水を風呂へ直接落とし込んだり、給湯器を介して適切な温度に設定したものを使っていた。それを、ヒートポンプを利用して不足する温度を上げるシステムを開発したようだ。東京大学の前真之准教授、長府製作所が共同で開発に取り組み、約3年かけて開発したもの。冷暖房と給湯を1台の室外機で効率よく運転できるので、エコキュートや一般的なエアコンを導入している住宅に比べて、年間消費電力を最大で約3割削減できるということだ。冷気や暖気は屋内に巡らせたダクトを通じて各室に分配するということだから、全室空調が前提になる。冬季の日中は、集熱パネルで温めた空気を屋内に循環させ、夜間や曇天日など太陽熱だけでは足りない場合には、エアコンで温めた空気を混ぜて暖房に利用する。給湯はヒートポンプを利用して、暖房と同時に行う。夏季の日中はエアコンで冷房しながら、熱交換換気を行い、その排気で屋根面を冷やす。さらに、エアコンの室外機から発生する廃熱を使って給湯器で湯を温めるというから、かなり複雑なシステムとなる。
この場合、太陽光発電、蓄電池を追加すると、ヒートポンプに必要な電力を太陽から得ることができるために、この住宅がもしオール電化であるとすれば、ここからのCO2排出はゼロになる計算となる。これからこのような組み合わせが増え、しかもこれが需要応答システムに加われば、太陽光発電の普及に貢献することになるとも考えられる。