西部ガスが、自社が輸入したLNG約270トンを試験的に中国へ輸出したと発表しているのを知って驚嘆した。ひびきLNG基地(北九州市)でコンテナにLNGを充填したのち、陸路でひびきコンテナターミナル(同)に運び、定期コンテナ船に積載して上海港向けに出荷したようだが、自分の常識として、LNGの輸出入はLNGタンカーで行われるものと理解していたが、これほど少量のLNGをコンテナで運ぶ時代が来たことを教えられた。
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で現地の物流大手ジャスダ・エナジー・テクノロジー(上海市)向けに輸出した。国際標準化機構(ISO)の基準に基づいて製造したタンクを備えたコンテナ15個を一度に出荷している。中国では温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)排出量削減に向け、環境負荷が小さいLNGの需要が高まっている。一方、日本国内では省エネ技術の向上などで消費量が頭打ちとなっておりLNGの余剰感が強いとのこと。輸出先を開拓できれば転売収益に加えて過剰在庫も解消できるため、西部ガスは今後産業用向けの提案を強化する考えだと報じられている。
国内でもLNGを専用の輸送車で運ぶことはあったが、これはパイプラインがまだ届いていないところで天然ガスを利用できるようにするためで、全てが一つの事業者のやることだった。また、LNGを日本から海外に輸出するということを聞いたことはなかった。大量に日本がガス産出国から輸入したLNGを小分けにして輸出するとはよく考えたものだ。日本と中国とは距離が近いから、専用のコンテナであれば気化する量も少ないはずだから、値段さえ合えば中国は環境対応として輸入するのだろう。
しかし、中国は既に日本に次ぐLNG輸入国になっているから、日本から輸入する必然性は小さくなっているはずだから、いつまで日本からの輸出が継続できるだろうか。ただ日本はLNGを長期契約で輸入している量が大きいから、国内消費が減少すれば、輸出を余儀なくされる、ということなのかも知れない。中国以外への輸出市場を開拓しておく必要があるかもしれない。
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