効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■廃プラを原料・樹脂に

廃プラは中国の輸入規制や新型コロナウイルス禍による原料需要の急減で輸出が落ち込んでいる。その処理が課題として大きくなっていたが、日本製鉄や出光興産がプラスチックごみ(廃プラ)を鉄や樹脂の原料に再利用する事業を拡大すると報じられている。日鉄は処理能力を2割増やし、出光は再利用に参入する。

日鉄は石炭を蒸し焼きにして作る鉄鋼原料のコークスを生産する炉を活用して廃プラを処理している。廃プラをコークスの原料の一部にするとともに、油を取り出して樹脂などに再利用して販売しているとのこと。炉に入れる前の廃プラを圧縮する工程で出る摩擦熱の温度をコントロールすることで、処理量が2割増える新技術を開発する。2年以内にコークス炉がある国内5カ所の製鉄所の設備を改修して、処理能力を年24万トン規模に引き上げる。

出光興産は廃プラの再利用事業に参入する。原油を分解する装置を使って廃プラからエチレンなど化学製品の原料を取り出す技術を開発する。現在は原油から生産しているが、安価な廃プラを使ってコストを下げるとのことだが、どうしてこれまでこの方式が採用されなかったのだろうか。原料とするだけの量をまとめることができなかったのかも知れない。廃プラの処理量は年1万トンを見込む。国内で試験を始めており、2022年度の事業化を目指すという。

廃プラを生産設備の燃料にするセメント大手も使用量を増やす。太平洋セメントは廃プラを効率的に炭にする技術を開発し、国内9工場で専用設備の導入を計画する。住友大阪セメントも廃プラ処理など環境対策に22年度までに100億円を投資する。化学大手でも旭化成はシャンプーなどの容器を、三井化学は食品包装用フィルムの再利用の実用化を目指す。

プラスチック循環利用協会によると、18年に国内で発生した廃プラは前年比1%減の891万トンだった。そのうち焼却や埋め立てでごみとして処分された廃プラは11%増の142万トンと、18年ぶりに増加に転じた。家庭や工場から廃棄された後、再利用されない廃プラは多い。20年の輸出量は各国の移動規制などが本格化した4月以降、大きく落ち込み、5月は3月の実績に比べて3割減った。物流面の支障などに加えてコロナ禍で経済活動が停滞し、雑貨向けなどの原料としての需要が大きく減った。海外からの引き合いの回復は今後も見込みにくく、国内で安定的に再利用できる仕組みを整えることが急務になっている。

望みうるならば、廃プラをただ燃料として燃やしてしまうのは石油を燃やすのと同じで、炭酸ガスの排出としては同じことになる。その意味では、出光興産の廃プラ再利用の方が望ましい。廃プラが出る量を減らす施策がまずなければならないが、その次は、これを再生して何かの樹脂原料にする方式を開発することに技術開発の力点を置くことが望まれる。

 

 

 

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