政府は3日、新たなエネルギー基本計画を閣議決定したが、原子力発電所の使用済み核燃料を再処理して出るプルトニウムについて「保有量の削減に取り組む」と初めて明記したと報じられている。内容は確認しなくてはならないが、前にも述べたように今年で更新される日米原子力協定が、米国のいちゃもんなしに更新されることを狙ってのことだろう。報道では、国際社会の懸念に対応する、という表現をとっているが、米国が日本を核保有国にさせようとする動きを顕在化させないためのものだ。保有量の削減のためには、消費しなくてはならないのだが、もんじゅも廃炉になった今、プルサーマルとして既存の原発の燃料に再利用するしか方法はない。30年の電源に占める比率については、原子力発電で20〜22%、再生可能エネルギーで22〜24%とする従来の目標を維持したが、この原発比率を維持するには、30基程度の稼働が必要になる。ただ現時点では9基にとどまり、新増設の見通しも立っていない。30年迄僅か12年しかないのに新増設を稼働させるのは不可能だ。つじつま合わせがほころびたエネルギー基本計画だと言える。今回の基本計画では新たに50年の長期戦略も盛り込み、太陽光や風力などの再生エネについて「経済的に自立し脱炭素化した主力電源化をめざす」と明記したが、それが政策に具体化されるのを見なければ餅の絵もかけない。
全く別の話だが、洞窟に閉じ込められていた12人の子ども達とコーチが無事だったのは奇跡に近い。一人も欠けずに救出されることを祈っている。生きるエネルギーを感じさせられた。