東京ガスと石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは川崎市に共同運営している原子力発電所1基分に相当する約85万キロ・ワットの天然ガス火力発電所の規模を、2020年に向けて倍増する計画だという。増やした分はほとんどを新電力に販売するため、新電力の供給能力が高まる。多分東京ガスも投資しているエネットに売るのだろう。昨年3月の東日本大震災以降で、既存の電力会社以外の発電事業者による能力増強としては、最大規模になると報じられているが、東京都の計画もこのくらいではなかったか。また、どのようなテンポで拡充するのかが分からないが、2020年というのには、時間をかけるなという印象だ。電力市場の自由化の進展度合とのからみもあるのかもしれない。また、原発再稼働の状況ももう少しはっきりするまで待とうということもあるだろう。「川崎天然ガス発電所」にはすでに2基の発電プラントがあり、同じ敷地内に新たなプラントを建設する。増設だから認可も得やすいはず。炭酸ガス排出量が少ない天然ガスを燃料に使ったコンバインドサイクルで60%ほどの発電効率も得られるから、地球環境問題への対応にもなる。同じような動きは、大阪ガス、東邦ガスなど大手の都市ガス事業者も計画しているに違いない。大阪ガスはすでに100万キロワットを超える発電設備を持っているが、関西の電力需給逼迫が早く解消されるとは思えないから、増設という形で早期設置の方向が出るのではないかと思う。