効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発は運転継続すら危うくなりそう

新潟県知事選挙で、自民・公明の両党が支持する無所属の花角英世氏が当選したが、県民の多くが心配している柏崎刈羽原発の再開について慎重な姿勢を見せたことがこの結果となったように見える。だが、柏崎刈羽原発に限らず、日本での原子力発電所の運転継続すら危うくなる事態になるかも知れない。それは日米原子力協定の改定が、今年7月が期限になっていて、期限の6カ月前までに日米いずれかが破棄や改定交渉を申し出なければ自動延長されるのだが、米政府が、日本が保有するプルトニウムの削減を求めてきたことが9日分かったと報じられている。プルトニウム原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理で生じ、核兵器の原料にもなるため、米側は核不拡散の観点から懸念を示している。トランプ大統領は日本が原子爆弾素材の中核であるプルトニウムがこれ以上積み上がるのを問題視して、何かの取引材料としようとしているのだろう。核保有国ではない日本が現在、原子爆弾6千発に相当するプルトニウム約47トンを保有している。本来このプルトニウムは、原子力発電の核燃料に再生する建前になっているが、青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理設備がほとんど稼働できていないし、再生した核燃料を使用する実験設備もんじゅ廃炉にせざるを得なくなった現状だし、フランスなどで処理されて作られた核燃料を使える原発も少ない現状から見て、このプルトニウムの量が減る可能性はない。原発を稼働させれば必然的にこれが積み上がるから、稼働自体を停止しなければ米国の懸念を解消できないことは確かだろう。現時点で日本のエネルギー基本計画では原発を2030年で20〜22%維持するとしているが、その計画は見直さざるを得なくなり、全ての原発廃炉にする方向に向かわざるを得なくなるだろう。日本政府はどのように対応するのだろうか。