効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国で最新型の原発が間もなく稼働

ロイター通信が報じていることだが、中国で、世界で最初の第三世代原子炉AP1000がこの11月までに完成して稼働するようだ。これは東芝の屋台が傾く原因となった米国のウエスティングハウスが設計した新型原子炉だ。中国は2007年に4基のAP1000を建設することを同社と合意していた。その1基目は2014年に完成する計画だったが、安全性への配慮と設計変更のために延期されていた。建設プロジェクトはこの2月に再度延期されたが、この4月に核燃料の装填が認可されている。その場所は浙江省三門。元々ウエスティングハウスの新型原子力発電所は三門に二基、山東省海阳に二基を予定し、これを足がかりにさらに中国へ売り込もうとしていたのだが、倒産によってその目的は達成できず、中国が独自に5基目の建設を進めてきたという経緯がある。それが河南省濮陽市华龙区に完成しようとしている。第三世代のものは、いま中国の他にフランス、英国で建設中。そのトップを切っているのが中国ということだ。中国は2020年末までに原発の発電規模を5,800万キロワットに拡大する計画で、さらにその後3,000万キロワットの建設を進めるという。昨年末で原発発電容量は3,500万キロワットであり、2,300万キロワットが建設中だという。これまで2年以上、中国は新規の建設計画を認可してこなかったが、この3月には上記のものに続いて6〜8基を2018年に稼働を開始させるとしている。
日本は原子力技術を維持するためとして海外の原子力発電所の建設を進めようとしているが、この中国の計画から見て、技術的にも中国が世界の先頭を走るようになっているのではないだろうか。中国の場合、建設費、地域の反対などはあまり意に介していないから、地球温暖化対応をしながらの発電容量拡張として、原子力発電を太陽光発電風力発電と同じように推進するに違いない。中国が原発技術の先進国になることは確実だろう。