効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国とシェールガス

中国はこれまでエネルギーの多くを石炭に頼ってきたが、大気汚染対応などのために天然ガスの使用にシフトしている。国産の天然ガスは少ないために、海外からLNGを輸入する量を急速に伸ばしていて、現在LNG輸入量世界一の日本を追い抜くのも時間の問題だろう。だが、中国としてもやみくもにLNGの輸入に頼るのは、安全保障の観点からもリスクが大きい。そこで国産天然ガスの開発に力を入れ始め、いまシェールガスの開発が進んでいる。これまで、世界の石油開発大手は、中国にシェールガスがない訳ではないが、地層が深いなどで開発コストがかかりすぎるなどの理由で進出しなかった。しかし、ロイター通信が最近報じているように、中国のシェールガス生産量は急増しつつあり、2020年には、2017年の2倍となる170億立米になると予想されている。深い地層開発については、環境への影響や地域住民との折り合いがどこの国でも問題になるが、中国の場合にはこれをかなり無視した開発が可能であるために、国内の事業者による開発コストは低い。ただ、中国政府の天然ガス生産量目標が当初2020年に300億立米であったのから見ると大幅に低いために、世界第3の天然ガスユーザーである中国は、当分LNGに依存せざるを得ないのが現実だ。しかし、政府の支援を受けた国内開発事業者の手で開発は急速に進展しているようで、LNGの輸入削減に成功するかも知れない。