効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ロシアと日本の新しいLNGプロジェクト

今日の日経夕刊一面トップが、「伊藤忠商事や丸紅など日本の5社はロシアの国営エネルギー大手のガスプロムと合弁で事業会社をつくり、ウラジオストク液化天然ガス(LNG)基地を建設することで22日にも基本合意する。日本向けにLNGを共同で販売することも決める。アジアで販路を広げたいロシアと、LNGを安く安定して調達したい日本の思惑が一致した。」と報じている。これまでにも日本はサハリンからLNGを輸入しているが、今度のはウラジオストックから。欧州向けの天然ガス輸出が低調であり、米国を始めとする諸国で開発が進むシェールガスの登場で、ロシアは資源国としての優位性を失いつつある。一方日本は、LNGの輸入価格を引き下げる方策を探っており、両国で共同プロジェクトを始めることで市場の拡大を図りたいのがロシアだろう。ガスプロムの事業はこれまでLNGの生産と商社などへの販売にとどまっており、相手国市場での売り先の確保には関わってこなかった。今回の事業では日本の電力各社への販売交渉などにも参加するという。LNG基地は2015年にも着工し、18年に生産を始める予定だ。
日本を巡るLNGの調達先が増えることで、例えば政治的な思惑で米国からの輸入価格が高止まりする可能性も否定できない市場状況を、少しでも日本有利にできるかもしれない。同じような状況にある韓国、さらには中国が、この新しい基地の登場でどのような動きを見せるだろうか。価格決定プロセスに日本も参画できるようになるという面でも、これからの世界におけるLNG市場に日本が影響を与えることができそうなのも好ましいことだと思う。これに日本沿岸部のメタンハイドレート実用化が確認されれば言うことはないのだが、果たしてどうなるか。