効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

シェールガスの政治的影響

最近開催されたLNG関連の国際会議で、シェールガスの開発がいまの調子で進めば、2020年を超えた頃から、ロシアと中国の国際的な政治力が力を失う可能性があるという指摘がなされたそうだ。今の話ではないが、その時に日本がどのようなポジションにいるかについては触れられたとは報じられていない。
今見られるウクライナに対するロシアの介入について、欧州は排除に向けて強い姿勢をとることが難しい。ウクライナ経由で送られる天然ガス供給に何らかの形で支障が出る可能性があるからだ。そのため米国も、姿勢としては強いものの、実効を伴う施策をとることがむつかしい。しかし、長期的にシェールガスLNGとして欧州に供給するビジネスが始まろうとしていることから、天然ガス供給を介した政治的圧力を欧州にかけるのが難しくなるということだ。そして、中国については、環境対応が国内問題として重要になっている状況は長期化し、天然ガスの利用が重要な要素となるが、中国ではシェールガス開発が難しいことからLNG輸入に依存せざるを得なくなり、いまよりも国際的に評価される外交姿勢をとるようにさせられるだろうということだ。こうなった時に日本は、依然としてLNG依存度は高いだろうから、調達先の多元化はするものの、価格については足下を見られて国際的に高いものを輸入しているかもしれない。うまく立ち回って原油価格とのリンクを外せれば良いのだが。