効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

応答性の高い大型ガスタービン

つい先ほどNEDOから入手して情報だが、川崎重工業(株)が、高速負荷応答性を備えた30MW級高効率ガスタービンを開発したということだ。大規模発電所などで使われているガスタービンは、負荷応答性があまり高くはないために、風力・太陽光発電などの不規則変動を吸収するのが難しかった。30MWの規模であれば、工場などでのコージェネにも使えるだろうが、川崎重工では、本成果を導入したコンバインドサイクル発電プラント(CCPP)を2018年3月から販売開始している。コンバインドサイクル発電は、天然ガスでタービンを回して発電し、その高温排気で水を沸騰させ、蒸気タービンを回して発電する。発電効率が5〜60%になるために、発電kWhあたりCO2排出量を削減することが出来る。天然ガスタービンの排熱で高温水を作り利用すればコージェネレーションで、総合効率は80%前後になる。これらが負荷変動への応答性が高くなれば、系統の指令に対応して発電を絞ったり増やしたりすることによって、不規則変動する再エネ発電の変動抑制に使うことが出来る。発表によるとガスタービンの負荷応答性は、従来機の10%/分から20%/分となり無負荷状態から全負荷運転まで5分で到達が可能となる。工場などに設置されたものを指令に基づいて運転を変化させることは一種のサービスとして、対価を貰うことも出来るはずだ。これまではエンジン発電機しか対応できなかった迅速な負荷変動対応が、タービン発電でもできるようになることの意義は大きい。