効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

業務用・産業用燃料電池

この間三浦工業が5kW出力の固体酸化物燃料電池SOFC)の販売を開始したことを述べたが、このほど、三菱日立エネルギーシステム(MHPS)が250kW出力の産業用燃料電池を8月から市場へ出したという報道を見た。このSOFCは内部でガスタービンでも発電していることからトリプル・コンバインドサイクル発電と称されている。発電効率55%で、排熱をうまく利用すれば総合効率は90%ほどになる。これに続いて、デンソウから5kW、日立造船から20kW、富士電機から50kWのものが商品化されるだろう。MHPSは1,000kWクラスのものも想定しているようで、熱需要が十分ある工場などに設置すれば、極めて環境対応が優れた発電設備となる。出力を半分ほど下げても発電効率は大きく下がらないため、DSM(デマンドサイド・マネジメント)なりVPP(仮想発電所)、マイクログリッドの構成要素となるだろう。メガワットクラスの太陽光発電の出力変動を平滑化するためにも利用できるだろう。これまでの発電設備に比べると極めて静かだから、都市部の変電所やビルに設置することもできる。データセンターの電源としての相性も良いはずだ。この時には、直流出力をそのまま使うという方法にすれば、全体の効率はさらに上がることになる。問題は今後kWあたりコストがどれほど下がるかだ。政府の補助施策も手厚くされているが、投資回収に多少時間がかかっても、あるいは、環境価値を認めて評価して設置してくれるところが増えれば、海外展開も含めて期待されるものとなるだろう。
今朝の段階では、米国の皆既日蝕が送配電系統にトラブルを起こしたという報道はない。