効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電機メーカーの収益性低下

風力発電は、発電効率が高まり、欧州では再生可能エネルギーの主役の座に躍り出たが、急激な価格低下で悩ましいのが発電機メーカーだという。中国勢に席巻された太陽光パネルの二の舞いになる可能性もある。中国は国内での設置数が政策的に急増しているが、国の支援もあって国内生産量も増え、製造コストが大幅に下がっている。デンマークのベスタス社によると、製造コストは年平均で22%下がったという。業界団体のウインドヨーロッパによると17年の洋上風力の導入量は欧州だけで314万キロワットと過去最高を更新し、欧州全体の累積導入量を25%押し上げた。旺盛な需要がありながらも利益は振るわず、シーメンスガメサの17年10〜12月期の特殊要因を除いた営業利益は51%減。コスト削減のため6000人の人員削減に追い込まれた。独ノルデックスや独センビオンも7〜9月期の営業利益は2ケタ減。世界3強の一角、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の18年1〜3月期の再生可能エネルギー事業は減益を見込んでいる。これほどまで単価が下がる理由の一つには、英国やドイツが導入した発電事業者入札方式があるという。買電価格を引き下げるために、風力発電機メーカーにシワ寄せが行っているようだ。そこへ中国から安い部品が輸入されるようになっている。
このような世界の動向だが、日立が台湾で大規模な風力発電設備を受注する見通しになった。ベルギー社と共同での受注総額は900億円強になる見通し。環境意識の高まりにより世界で再生可能エネルギー需要が膨らむなか、台湾を足がかりに海外展開を加速するとしている。海外での受注は初めて。今後海外での風力発電事業が拡大するかどうか、見通しが立たなくなっているように思える。欧州のメーカーと同じ道を歩かされるかも知れない。