効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

宮古島での再エネ利用増強

日経エレクトロニクスによれば、電力系統が小規模の宮古島市(人口:約5万5000人)では、他の地域に先駆けて2014年3月に再生可能エネルギーの接続が保留になるなどの問題に早くから直面してきたが、電力系統への悪影響を抑えながら、再生可能エネルギーを最大限導入するにはどうすれば良いかを検討するために、宮古島市で、再生可能エネルギーの有効利用に向けた実証実験の報告会が、2015年2月18日に開催された。宮古島市は「来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業」と「全島EMS(エネルギー管理システム)実証事業」に取り組んできた。このうち来間島(人口:約200人)での実証事業は、島内の電力を再生可能エネルギーだけで100%賄うことを目指したもの。来間島宮古島から電力供給を受けており、実験の影響で停電などが起こる可能性が低いため、このような実験に適している。実験では、来間島の最大負荷220kWに対して、出力約380kWの太陽光発電システムと容量352kWhの Li(リチウム)イオン2次電池を設置した。さらに、来間島宮古島をつなぐ沖縄電力の電力系統に計測器を追加し、来間島電力需給バランスに応じて充放電を制御できるようにしている。この結果、年間を通じて来間島の電力需要の30%程度を、再生可能エネルギーだけで賄うことができたという。再生可能エネルギーだけで電力需要を賄うためには、太陽光発電システムを2MW、蓄電池を7.5MWhまで増やさなければならないことが判明したが、そのときの発電コストは107.5円/kWhで、離島で用いられる一般的なディーゼル発電設備の50円/kWhの2倍以上になる。出力245kWの風力発電システムを加え、太陽光発電システムを1MW、蓄電池を6MWhにすれば、発電コストはが89.1円/kWhにまで下がる。さらに、供給が需要を上回る場合に、農業用ポンプを駆動して電力を消費させることで需要を制御すると、島のディーゼル発電機の柔軟性が高まり、0.7M〜2.15MWの再生可能エネルギーの追加導入が可能になることが分かったという。風力発電のコストが低いことが分かったし、蓄電池のコストが下がれば、さらに再エネ導入を推進することが可能となるのだろう。