世界全体で太陽光発電パネルが昨年、1日約50万枚のペースで設置され、再生可能エネルギーは過去最高の伸びを記録した。その結果、再生可能エネルギーの発電容量は石炭を抜いて最大となった。ただし、発電容量だから発電量ではない。しかし、発電量が石炭を上回るのも時間の問題だろう。再生可能エネルギーの拡大の一因は、IEAの事務局長であるビロル氏が、5年前なら「考えられなかった」と語る太陽光発電と陸上風力発電のコストの低下だ。IEAが出した報告書によると、2010〜15年の世界の平均発電コストは新型の陸上風力発電所で30%、大規模太陽光発電所では約66%、それぞれ低下した。IEAは、今後5年間に風力発電のコストが平均15%、太陽光発電が同25%、さらに低下すると見込んでいる。昨年、石炭火力発電が世界の電力の39%弱を供給したのに対し、水力を含む再生可能エネルギーによる発電は23%だった。しかし、IEAでは21年までに再生可能エネルギーの比率は28%に高まると予測する。その時点での発電量は米国と欧州連合(EU)の合計に匹敵する見通しだという。IEAは向こう5年間の予測を見直し、再生可能エネルギーの発電容量の増加を昨年の予測値から13%上方修正している。米国、中国、インド、メキシコで政府による強力な支援が見込めるためだ。日本は残念ながら再生可能エネルギー増強に向けた施策は、ないとは言えないが弱々しい。最近原発の発電コストが安いというデータを出しているようにまだ原発推進だが、いつまでそれを続けられるだろうか。