効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

欧州電力大手の再エネ導入、原発50基分

欧州で再生可能エネルギーの拡大が続いているとは理解していたが、今日の報道記事の具体的な数字を見て驚嘆した。欧州の電力大手が太陽光や風力発電といった再生可能エネルギーへのシフトを進めていて、各社が新設を発表した施設の発電能力は合計で5千万キロワットを超えるという。これは出力ベースで原子力発電所50基分以上に相当する規模だ。夜には発電しない設備も多いから、実際の稼働ベースで見ると小さくなるとはいえ、この導入を可能にした系統制御の技術革新は極めて大きいと言える。そして、その基本には、技術革新による低コスト化がある。発電能力を示す発電設備容量で欧州首位の仏EDFは2030年までに、再生エネの発電能力を16年比で7割増の5千万キロワットに増やす。同社は「30年までの設備投資金額の3分の1を再生エネに投じる」と発表した。約3千万キロワット分の太陽光発電所を20〜35年に建設し、風力発電所などの新設も進める。原発廃炉を進めることが可能になる。同2位のイタリア、エネルは20年までの3年間で83億ユーロ(約1兆1千億円)を投じ、再生エネの発電能力を780万キロワット増やす。スウェーデンのバッテンファルは再生エネの発電能力を25年までに約3.5倍に増やす計画だ。このほかの欧州電力大手も再生エネ設備の増強を打ち出し、大手9社で増える発電能力は5700万キロワットに達する。欧州連合(EU)の欧州議会は近く、最終エネルギー消費に占める再生エネの比率を30年に最低27%に引き上げる法案を採択する。15年実績の17%から大幅な引き上げだ。いま検討が進んでいる日本のエネルギー基本計画の改訂には、このような思い切ったプロジェクトが盛り込まれるだろうか。日本の系統制御の現状から見ると、ここまでの規模は望めないだろうが、先進的な対応をしてほしいものだ。