効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東京電力、綱渡り

関東にも寒波が襲い、暖房に使われる電力が急増し、また、雪が降ったために発電出来ない太陽光発電が出たために、連日の電力需給逼迫が続いている。そこへ、、電力の不足時に使う予備の火力発電所2基が不具合で稼働できなくなったために供給力が不足する事態が前日に続いて起こったようだ。その2基の容量は原子力発電所2基に相当する200万キロワットだから、何とかしてこの不足分を補う必要が出るということになり、それがうまく行かないと大停電の可能性もあった。2基が同時に不具合というのも希なことだ。どちらも石油火力だというから、かなり時代物だったのだろう。26日の需要量は最大5139万キロワットまで上昇し、供給可能量に対する需要の割合を示す電力使用率は26日夕方に95%まで上昇した。東電は需給逼迫を受けて26日も東北電力などから最大137万キロワットの融通を受け、また、前日に続いて節電要請も行っている。大口電力需要家とは、要請によって消費を抑制することに同意するという条件で電気料金を引き下げてきたが、これは電力販売を伸ばすマーケティング戦略の1つだった。それが今回の急場に初めて需要抑制を依頼する事態になって、需要サイドの制御が有効に働くことを証明したことになる。これをネガワット取引だと報じられているが、そのような意図で設計された方式ではないものの、今後このような取引形態が拡充されるだろう。しかも、スマートメーターが普及すれば、大口ではないところもこの取引に参画するようになるはずだ。再エネの発電量が増えることによる系統の不安定化も、ネガワット取引で抑制できることができることも実証されたようなものだ。電力市場の新しい動向が見えたということだろう。