効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力需要の伸び横這い

経済産業省は24日、今冬の電力需要の最盛期に全国各地で節電要請をしないと発表した。最近電気のエアコンで暖房するところが増えていることもあって、冬の電力需要のピークが大きくなり、従来の夏のピークに似た形になっている。北海道では冬のピークの方が夏より大きい。福島第一原子力発電所の事故以来、節電要請が夏、冬に出されていたが、昨年からこれが出されなくなっている。消費者が我慢したわけではなく、日本社会の電力消費効率が上がったことによって、急激なピーク需要は出なくなっている。しかも、発電の可成りの部分を占めていた原発がほとんどまだ停止しているのに、需要が伸びなくなっているために、節電要請の必要がなくなっているのだ。四国電力北陸電力も冬のピーク時にも所要の余裕度を確保できていると発表している。経産省によると、北海道から沖縄まで全エリアで供給能力がピーク時の需要を3%以上上回る見通しで、電力の安定供給に最低限必要とされる予備電力を確保できるため、要請が不要になったものだ。日本の再エネによる電力の供給の伸びは、欧米に比べて少ないが、それでも着実に大きくなっていることは確かだ。主力である太陽、風力発電は、出力変動が予測できないから、できれば増加を抑制したいというのが従来のエネルギー政策の基本にあったようだが、現状から見ると、蓄電池のコストも大きく下がり続けているし、原発より再エネを伸ばすコストの方が小さくなっていると思う。今後節電要請という言葉は大災害でも起きない限り死語になるに違いない。複数の発電所が停止したりすれば停電も起きるだろうし、これからは系統制御にサイバーアタックがあって送電ができなくなることも考えられるから、停電への備えはしなければならないが。