効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北海道に大型風力発電が増えるか

北海道の人口は本州などに比べて少ないし、大工場など電力を消費する事業も多くはない。その裏返しだが、原野といえるようなところも多く、そこに風力発電設備が沢山設置されても、騒音などが問題となるケースは少ないだろう。何しろ北海道の人口密度は都道府県の中でもっとも小さいのだから。そして、北海道は風力発電に適した風が吹く。ところが、電力需要そのものが小さいために、道内の送電幹線の容量は小さい。そのため、大量に風力発電を導入することができないとされていた。だが、北海道電力は4日、風力発電の導入拡大に向けた東京電力との共同実験が1日からスタートしたと発表した。天候により出力が変動しやすい風力発電の電力供給を安定させるため、発電量予測と比べた不足分を東電から調達して補うとしている。計20万キロワットの実験枠のうち、石狩湾新港に建設された6600キロワット分が先行して稼働した。コスモエネルギーホールディングスのグループ会社で風力発電を手掛けるエコ・パワー(東京・品川)が建設した、1基あたり3300キロワットの出力を持つ風力発電設備2基が1日に稼働し、他の設備も2021年春までに順次運転を始める。だが、この数字は、これまでに発表されている潜在量と比較すると微々たるものだ。環境相が算定した導入ポテンシャルは、賦存量マップに対して、各種の自然条件や法的制約条件を考慮して算定を行った結果、2.8億kWと推計されている。実験では風力発電量が不足するときに東京電力から補うと報じられているが、北本連系線の容量が60万キロワット(90万キロワットに増やす計画)しかないのだから、どうも風力発電導入に積極的だという姿勢を示すだけの実験だとしか思えない。