効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東北電力の風力発電募集枠の拡大

電気新聞から届いた電子記事によると、東北電力風力発電の10年度募集枠をこれまでよりかなり大きいものにしたようだ。昨日は英国の洋上風力発電のことを書いたが、今日は日本関連。このほうが大切だろう。東北電力が9月30日に発表しているのだが、従来年度で8万〜16万キロワットだった風力発電の募集枠を、10年度は過去最大規模の31万キロワット程度まで拡大する。一般的な風力発電を対象とした「通常枠」で最大26万キロワット。それに加えて、風力発電設備に蓄電池などを併設して出力変動を抑制したり、必要に応じて系統に貯めた電力を流せるようにした「蓄電池枠」で5万キロワット。この2つの枠で募集が行われ、多くの応募が見込まれているようだ。
「通常枠」については08年度、当時の連系済み風力発電の実測データなどに基づいて評価を行い、連系可能量を52万キロワットから85万キロワットに拡大した。「蓄電池枠」については33万キロワットを連系可能量としており、合計で118万キロワットが同社の連系可能量となっている。周波数や電圧など電気の品質に影響を与えることのないように、技術的な検証をした結果、今回の導入量拡大ということになったそうだ。10年3月末時点の同社の連系量は53万キロワットで、全国の電力会社でもトップクラスの導入量であり、さらに既募集分約22万キロワットが今後連系する予定になっている。東北電力の自発的な努力は評価されなければなるまい。このための設備コストを同社にのみ負担させるのが良いのかも考える必要がある。
今回の募集により通常枠はほぼ埋まることになる。しかし、報道記事の最後に興味ある内容がある。東京電力との連系線を活用した「風力発電の導入拡大に向けた実証試験」で新たに募集枠を設けるため、来年度以降も募集は継続する考えだという今後の方針だ。これはこれまで行われてこなかった電力会社の供給エリアをまたがって風力発電の出力変動を吸収しようとする新しい試みになる。東北電力から東京電力に向けて電力を送れる連系線の容量は500万キロワット。東京電力さえその気になれば、夜間の需要が落ちたときに東北で風が吹いてもかなりのものを受け入れることができるはず。新しいビジネスモデルが生まれる可能性が出てきたようだ。また後ほど考えてみよう。
今日はこの世を去ったお袋の49日、満中陰の法要があって、大阪まで連れ合いと息子も一緒に出かけていた。これで一つの区切り。気持ちも少し軽くなるだろう。