効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国と英国の蓄電増強方針

ニューヨーク州のクオモ知事は、2025年迄に1,500MW(150万キロワット)容量の蓄電設備を設置する目標を州議会に提出し、同時にこの実現に向けた2億ドル規模の融資支援などを準備するようだ。この規模は原発1基分以上の規模となる。同知事は州のエネルギー関連の部局に、具体的な達成計画を策定するように指示するとしている。電力事業への設置要請、電力料金規や卸電力関連規制を変更しての導入容易化、再生可能エネルギー設備と蓄電装置の一体化推進などが具体的に示されている。一昨年、ハリケーンによってニューヨークで送電の回復が1週間以上実現しなかったことを教訓としての具体的なエネルギー政策の表明だ。同時に週レベルで実証試験をするべく、6千万ドルを準備するよう指示している。
一方英国では、2021年までに12GW(1,200万キロワット)の蓄電設備が設置されるかもしれないとする再生可能エネルギーに関係する政府当局の予測もある。この予測は、政策的な支援を準備するために出されたもののようで、設備に対する税控除など促進策が念頭に置かれている。現時点での蓄電規模は6万キロワットに過ぎないから、実現性から考えると8GW(800万キロワット)が妥当だとする考え方も同時に示されている。関連事業者の考察では、この蓄電容量の多くの部分が太陽光と風力による発電事業者が発電設備に併設して系統安定化に貢献し、それに対する対価を送電系統事業者から貰うとの目算で設置されるものが多いということだ。だが、一方では、中国、ドイツ、米国の蓄電設備市場の進展に遅れをとらないために出されたもので、充放電などの制御も含めた技術開発もこれに伴う必要があるとするという批判もあるようだ。
このような方向について、日本はこれからどう動くのか、政策的な支援の具体策を示してほしいものだ。