マツダは2019年に、小型ロータリーエンジン搭載の電気自動車(EV)を米国と欧州に投入すると報じられている。ガソリンエンジンで作った電気でモーターを駆動し、走行する。車両に搭載する蓄電池の容量を抑えたり、航続距離を伸ばしたりできる。マツダは13年に試作車で小型車の航続距離をEVの2倍に伸ばすことに成功した。現行の市販車では独BMWが小型EV「i3」に発電用エンジンを搭載している。マツダの場合には、ロータリーエンジンは発電用にだけ使われる。このエンジンは小型で、ピストンではなくおむすび型のローターの燃焼室でガソリンを爆発させるが、上下の動きがないために、振動や騒音が少ない。1967年にマツダが世界で初めてスポーツ車「コスモスポーツ」で搭載モデルを発売したが、その後、12年にロータリーエンジン搭載車種の生産を停止していた。コストダウンが出来なかったからだ。現在見られるEV用蓄電池の技術開発テンポからみて、一時的な利用になる可能性もあるが、自動車としては蓄電池だけで走るから、EVでありながら自前の充電器を搭載しているようなものだ。蓄電池の容量を小さくすることもできるから、案外商品としての命は長いかも知れない。