効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

EVの多目的利用

EV(電気自動車)の高容量蓄電池の利用になるほどというものが紹介されている。一つは栃木県で、今夏を目途に農業用水路を使った小水力発電で得た電気でEVを充電し、その電力を農業施設で活用する事件を始めるというもの。この電力でフル充電した日産自動車のEV「リーフ」が県内の農業施設に移動し、電力を供給するというもの。フル充電には10時間。電気は農業ハウスの天窓の開閉や、搾乳機の電源などとしての利用を想定しているという。もう一つは奈良県で、近畿日本鉄道奈良県、そして同県大淀町が整備した仕組みで、災害時にEVを介して町内のメガソーラーから避難所に電力を供給するもの。災害時に約160人を収容できる同町の公民館で、5月からどの程度の電力を供給できるか検証する。近鉄が建設した出力約3千キロワットのメガソーラーに充電器を備え、非常時にリーフに充電、車が走行して電力を届ける。リーフは、一般住宅で使用する約2日分の電力を蓄えられる容量を持っている。
これから高級マンションなどでEVが何台も駐車する時代になると、災害で停電が起きた時にもそのビルが消費する電力をEVから供給するということも可能になる。供給に向けた制御プログラムや給電方法など予め設定する必要はあるが、住宅の非常用電源としてEVが有効に機能することが実証され、社会に認識されれば、多様な使い方が生まれるだろう。ただし、報じられた実証試験は、自動車だけの機能ではないですよということを知らせる、日産の巧妙なマーケティング手法かもしれない。