効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日米原子力協定

原発の使用済み核燃料を再処理するということは、そこからプルトニウムが分離されると言うことで、それは原子力爆弾に利用可能なものだ。核兵器の拡散を防ぐ観点からその製造にはさまざまな国際的な制約が課されている。核兵器を持たない国でプルトニウム製造を認められているのは日本だけで例外的な存在。その根拠となるのが日米原子力協定。米国は日本がプルトニウム核兵器に使用せず、あくまで発電など平和的な利用に限ることを条件に、原子力関連の燃料や技術を輸出することを決めている。現行の協定は1988年に結び、30年後にあたる18年7月が期限となる。ところが、日本の再処理によって生まれるプルトニウムは、発電燃料として再利用されるという前提になっていたが、その核燃料サイクル高速増殖炉もんじゅ廃炉がほぼ決まり、サイクルとして成立しなくなっている。再処理を実施する青森県六ケ所村の施設は水漏れなどの不祥事続きで、当初は97年に稼働するはずだったが23回目の延期が確実となり、稼働を許可する原子力規制委員会が審査を一時中断している。この現状から見て、米国が原子力協定をどのように扱うかが注目されていた。プルトニウムとウランの混合燃料としてプルトニウムを消費する方策はあるが、原発の稼働が進まない現状から見て現実的ではなくなっている。そのプルトニウムは約47トンも溜まり、原子爆弾6000発分にものぼる。しかし米トランプ政権は10月に「再交渉する理由は何もない」と改定は求めない方針を明らかにした。改定交渉をしないならば、協定が自動的に延長される。自動延長された場合、どちらかの政府が6カ月前に通告すれば協定を終了させることができる。今後の日米関係次第では協定が終了してプルトニウムの保持が出来なくなる可能性もある。今後日米両国がどのようにこれを扱うか、日本のエネルギー政策にも大きな影響を与えるだろう。