いま日本ではエネルギー基本計画の見直しが始まっている。現在の原発比率をどのようにするのか、再エネ比率をどうするのか、などその方向が注目されている。この見直しに影響を与える動きがフランスで起きた。フランス政府はその方針として、現在の発電設備容量に占める原発の比率を、現在の75%から、2025年までに50%に引き下げるという目標を掲げてきたのが、CO2の排出削減、電力供給の安定性に問題が出るという理由で、目標の維持は非現実的だとして、達成時期を2030年から35年に延期することになった。新政権になっての大きなエネルギー政策の転換である。マクロン政権は、目標達成には58基のうち17基を停止させなくてはならないが、、2017年から35年に向けた電力需要の予測から見て、40年経過した原発と全ての石炭火力を止めると、供給に不安が出るとしたのだ。フランスは昨年の冬の寒さに伴った電力需要の増加があり、同時に原発が幾つか再稼働しなかったために、卸電力価格が急上昇したことがあるが、それも影響しての判断だろう。だが、フランスは隣接諸国から電力を輸入できるから、価格は別として、供給が止まることはない。だが、日本の場合、電力の輸入はできないから、基本計画策定にフランスの方針が影響するのは確実だと思われる。