効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国の電力会社の蓄電池強化

米スマート・エレクトリック・パワー協会(SEPA)は電力会社を対象に実施したアンケートをもとに、「2017年電力会社電力貯蔵市場概念」というレポートをSPI開催に先駆けて発表した。新聞情報に拠れば、電力需給のバランス、電力系統の安定化、ピークカット、ピークシフト、バックアップ電源、調整火力の代替など多彩な機能・利点をもつ「電力貯蔵システム」の導入が、米国で拡大し始めている。発電所や変電所に併設される大規模蓄電池だけでなく、家庭や事業所、工場など需要家側の中小規模の蓄電池システムの導入も増え始めている。それも電力会社の手で推進されているらしい。SEPAによると、昨年出力207MW(容量257MWh)の蓄電池が電力系統に接続され、2016年末時点で累計622MW(661MWh)の蓄電池が設置されている。送配電系統に蓄電池を設置するのは系統の安定化に必要な場所に行うはずだが、需要家サイドに設置する場合、電力会社は電力の時間帯別料金で需要家が得になるということを強調したり、系統全体の需給バランスに対応する指令に対応してくれるという契約に応じてくれる場合には、蓄電池自体を安く供給するようにもしているようだ。時間帯別料金は日本で余り普及していないが、電力事業が自ら蓄電池の販売事業を始めるのは時間の問題だと思える。その場合、蓄電池単体ではなく、HEMSやBEMSなどの制御システムも同時に設置されるはずだから、電力消費の効率化は促進されるだろう。工夫すれば、新電力にも有効な電力販売戦略になるかも知れない。