効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国とEU離脱

明日23日に英国で、EU離脱を巡る国民投票が行われる。残留、離脱の勢力が拮抗しているために、世界が注目している。もし離脱した場合、エネルギー供給の状況がどのようになるか考えてみた。英国は欧州大陸から天然ガスを輸入している。以前は輸出国だったのだが、需要の増大に生産が追いつかず、ガス田の枯渇もあって、海底パイプラインで輸入している。また、電力についても、フランス、ベルギーなどと海底高圧直流送電線で結ばれていて、電力の輸入をしている。ノルウェーとも電線を結ぶプロジェクトが進んでいる。英国の風力、太陽光発電の出力変動をノルウェー水力発電によって補おうというもの。電気が余った場合はノルウェーの発電用ダムの水を揚水するのに使い、不足する場合には供給を受ける。また、北海に建設されている洋上風力発電の電力も輸入するが、これもEUとの関連が深い。もし離脱すれば、EU諸国からのエネルギー輸入という形になり、関税がかけられてコストが上がる可能性もある。そうなると頼れるのは自国産の石炭と原子力発電になるが、石炭には地球温暖化ガスが多いという問題があり、原発については、新設の計画が大幅に遅れそうだという問題がある。EU離脱派はこのことを理解しているだろうか。エネルギーも輸出入される商品になっている欧州では、単なる経済問題ではなく、安全保障にも関わるものとなるはずだ。明日英国民が出す結論を待ちたい。