効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発の今後

昨日、九州電力川内原発2号機89万キロワットが営業運転に移行した。これから四国電力の伊方3号機が年明けにも再稼働をするだろう。遅れながらも着々と原発の稼動が推進されているように見える。しかし、これに続く原発の再稼働にはますます遅れがでるように思う。それによって電力需給が危機的に逼迫することはないだろう。電力使用の削減施策が定着したし、電力の供給管理が広域に行われるようになるからだ。原発再稼働に反対する人達にとっては嬉しい状況になってきた。これを政府が内心で認めるようになってきたのではないかという報道に今日接した。それは、経済産業省は電力会社に対し、2030年時点で原子力発電と再生可能エネルギーの電力量に占める比率を44%以上とすることを義務付ける検討に入ったというものだ。エネルギー供給構造高度化法の目標として掲げ、電力会社に達成計画の作成を求め、30年度の望ましい電源構成(ベストミックス)の実現を確実にする狙いがあるとされている。ここで重要なことは、CO2を排出しない電源を44%にするということで、その内訳を示していないということだ。原発の稼動が増えなければ、電力会社は再生可能エネルギーを増やす方向に向かわざるを得ない。再エネによる電源は、稼動させるために必要な時間が短いから、そして、その導入が義務づけられるとすれば、再エネ増強のための系統投資を自ら行わなければならなくなるからだ。受け入れがやりやすいような設備にして、再エネ電源設備の新設・運用をする事業者が負担する系統コストを大きくしないような方向に向かわざるを得ないはずだ。これから次第にエネルギー政策の中身が変わらざるを得ないと思う。