効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力輸入国になったフランス

欧州諸国の送電系統は一体化してつながっている。英国にも海底設置の高圧直流系統でつながっている。だから、各国、一時的に需要が多すぎたり、急落しても、周辺の国から輸入したり輸出したりして相互に助け合ってきた。その中で、過去5年、冬の電力需要が多いときでもフランスはこれまで電力輸出国だった。それが、今年は冬のピーク時には電力純輸入国になるとロイター電が伝えている。冬のピーク需要の時には一時的に足らなくなるのはこれまでにもあったが、いま原発で一時停止しているものもあるため、輸入が上回るのが続くそうだ。フランスは2015年に、原発のシェアを現在の75%を、2025年には50%に引き下げる目標を出し、それに代わるものとして風力、太陽光発電とエネルギー消費の効率化を増強する方針を出した。再エネは16%にまで増えては居るが、当初の目標達成には遅れが出ている。石炭火力の閉鎖も行われている。そのためもあって、総発電能力がピーク需要に対応しきれなくなっているのだ。だが、各国からの輸入があるため停電になる事態にはならないだろう。各国との連系容量も大きいからだ。これから選挙があるが、新政権がこれにどう対処するかには大きな関心が集まりそうだ。
近隣する国との連系がない日本は、発電能力が足らなくなると、輪番停電などで強制的に需要を下げなければならない。フランスでもこのような状況になったことを他山の石とすべきかも知れない。