効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日立、日本の技術イメージを壊したか

日立はロンドンと各地を結ぶ都市間高速鉄道向けに計866両を順次納入する大型プロジェクトに取り組み、16日にその運行が始まった。その車両は、英国北東部にある組み立て工場で製作されたもの。ロンドンと英西部スウォンジーまでの約300キロメートルを結ぶ。最高時速は201キロで、終点まで1時間30分と従来型の車両より15分間短縮した。電化していない区間も多く走るため、電気とディーゼルのハイブリッド仕様。従来型より客室空間を広げ、静音・低振動設計にし、車内の照明は発光ダイオード(LED)と省エネにも配慮したもの。流線形の先頭車両をはじめ、外観は日本人デザイナーが手がけたという。ところが、その運行初日から大きなトラブルが起きたらしい。英南西部の駅を午前6時に出発する予定だった一番列車が何か技術上のトラブルが起きて出発が25分遅れ、ロンドン市内の駅への到着も約40分遅れた。さらに、客室天井の空調機器が故障で水漏れを起こし、客室がずぶぬれになったという。第1号車ということでグレイリング英運輸相も乗車していたそうだが、大きくこの高速列車のイメージを落としたことになる。英国で組み立てたものだろうが、日本の品質管理技術を英国の工場に輸出できなかったのだろう。東芝神戸製鋼所に続いて、日立がこの有様。BBCは「英国の新高速鉄道の門出に暗い影を投げかけた」と指摘したことを読売やNHKが報じているが、日経はこのトラブルについては報じていない。なぜだろうか。それはともかく、日立の現地進出に暗雲が立ちこめなければ良いのだが。