効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

「竹」専焼のバイオマス発電所

藤崎電機(徳島県阿南市)は、世界初という竹を燃料として専焼するバイオマス発電所の第1号を、山口県山陽小野田市の小野田・楠企業団地内に建設するということだ。竹だからそれほどの規模ではないだろうと思ったら、この発電所の出力規模は約2MWということで意外に大きい。それに必要な燃料である竹はどのように入手され燃料に加工されるのだろうか。これを報道した記事にも、当初の予定より2年ほど着手が遅れたのが、竹のチップの調達に難があったからということが一つの要素として上げられている。この竹チップの専焼炉はドイツのメーカーとの共同開発だそうだ。藤崎グループは、この事業で、発電所の開発から燃料となる竹の伐採、運搬、チップ化、発電所の企画設計、調達、建設、運営、メンテナンスまでのトータルエンジニアリングを行う。この事業が日本各地で問題となっている繁茂竹林の急速な拡大に解決策となるかもしれない。竹の生長速度は非常に早いから、チップが燃料として使われたときに排出されるCO2は、確実に竹の成長時に取り込まれると考えても良かろう。カーボンニュートラルが保証されているようなものだ。将来、国内100〜200MW、海外200MWの事業展開を目指すとのこと。
今日の午前中、奈良県に再エネを普及させようと活動している組織の会合に出席したが、木質バイオマスの利用を実現するには、地域住民や事業者と自治体からかなりの努力がなされなければ難しいと実感させられただけに、このプロジェクトには敬意を表したい。