効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高速炉開発

 日本は高速増殖炉もんじゅ」の廃炉を決めたが、その技術の開発をフランスと共同で推進する計画だった。だが、フランスから、中止ではないが開発対象となる設備の規模を大幅に削減することへの打診を受けたという。出力を60万キロワットから15万〜20万キロワットに引き下げる内容で、仏原子力庁の担当者が6月1日に来日、経済産業省文部科学省などと協議する。仏側が縮小を決めれば、日本は高速炉開発計画の見直しを迫られる。計画を縮小するのは、高速炉実証炉「ASTRID(アストリッド)」。高速炉は現在の軽水炉とは違う特殊な原子炉で、原子力発電所から出る使用済み核燃料を再利用し、減らせる。日本は、今後の高速炉開発にアストリッドのデータを活用する方針だった。仏政府は19年までに10億ユーロ(約1200億円)を投資、20年代半ばまでに建設の可否を判断する方針だったという。日本は18年度に約51億円の協力金を出すことになっている。フランスが高速炉の開発をいずれ止めるつもりなのかどうか分からないが、日本にとって頼みの綱が切れたと言ってもよかろう。日本の対応を具体的に見るまでは何とも言えないが、原子力産業の将来に暗雲がたれ込み始めた感じだ。