効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関西電力高浜1、2号機、規制委が運転延長認可

政府は30年度時点の最適な電源構成(ベストミックス)で原発が占める比率を20〜22%にする方針を掲げている。原発の新設が可能となる見込みは極めて小さいから、この目標達成のためには、原則設置後40年という稼働年数を、例外的に60年まで延長しなければ不可能に近い。その一歩として、原子力規制委員会20日、稼働から40年を超えた関西電力高浜原子力発電所1、2号機(福井県)の運転延長を正式に認可した。稼働から40年前後たつ老朽原発の運転延長には、新規制基準を満たしているかどうかの「安全審査」のほか、設備の詳細な設計を記した「工事計画」の審査、老朽化による影響を調べる「延長審査」の3つの手続きが必要となる。関電は原子炉の劣化状況などを調べる特別点検を実施したとするが、肝心の炉心については誰も安全を証明できないのが現在の原子力技術だと言える。15年2月に安全審査に合格した高浜3、4号機は今年3月、再稼働の直後に大津地裁から運転差し止めの仮処分決定を受け、停止が続いている。老朽原発に対する住民の見方も厳しいことから、高浜1、2号機が予定通り再稼働できるかどうかは不透明な面もあると報じられている。ここで考えるべきは、ベストミックスの目標数値ではなく、発電設備からの温暖化ガスの排出量削減の目標を達成するという政策をとる必要がある。いま電力需要が伸びなくなっているのだから、火力発電を高効率のものに取り替えることと、コストが急減している再生可能エネルギーの増強策を推進することが重要となるだろう。