効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

効率2割アップのSiCパワー半導体

三菱電機が電力損失最小のSiC(炭化ケイ素)パワー半導体素子を開発したと発表している。素子の構造を工夫し、電力損失を従来比で20%低減したということだ。この素子は家電やPCなど身近なものから、送配電など大規模なものまで広く使われている。同社は、自動車や家電製品、鉄道車両などの一段の省エネに役立つとみて、2020年度以降の実用化を目指すという内容の発表だが、少し控え目な感じもする。パワー半導体素子は電力の変換や制御を担うパワー半導体モジュールの中核であり、使用される個数も非常に大きく、応用分野も広いから、そこでエネルギー損失を20%減らすことができる意味は極めて大きいと思う。まだ素子の構造についての開発で、商品化には時間がかかるし、また応用される半導体の規模が、いわばマイクロからギガまでといった感じの幅を持つから、それぞれについて得意とする企業と共同開発して貰えたら良いのだが。しかし、パテントなどの取扱もあるだろうし、また、三菱電機の経営施策にも関わるだろうから、簡単な話ではないかもしれないが、世界全体での新規に製造されるエネルギー機器にこれが採用されるように工夫してほしいものだ。